the Journal

Latest news and so on.

conclusion

27.08.2016.

DSC02947

思い起こせば2014年4月に思い立ってからリサーチを開始し、同6月にとりあえずの材料を買い集めてスタートした光学式3Dプリンターの自作プロジェクト。2016年6月8日を以ってひとまず完成して完璧に動作したと言える。
丸二年は長い製作時間だった。

光学式3Dプリンターに対してほとんど知識の無い状態から始め、電子工作もほとんどやったことないし、機械設計なんかも熱式3Dプリンタを自作(これは半年くらい掛かった)した時に初めてやったようなもので、

金属加工はジュエリーの小さいサイズでしかやったことないし、木工は日曜大工レベル。

大まかなパーツのレイアウトの図面作ってアルミフレームの業者を探してカットの発注するのに1ヶ月くらい掛かったり、フレームを組む補助パーツを作るのに2週間くらいかかり、

必要なネジを何度も何度もホームセンターに行って買いに行ったり(合計でボルト・ナット100セットくらいになった)、欲しい大きさの耐熱ガラスを電話帳から探して近所のガラス工場に頼みに行ったり、透明度の高い特殊なシリコン樹脂をシリコンの会社に頼んでサンプルを貰ったり、

フレームの再設計でアルミフレームを何本も彫金用糸鋸で切ってヤスリで平らにしたり、

来る日も来る日もプリントに失敗して失敗のゴミの山を量産したり、光の出力上げすぎてダンボールから火が出てびっくりしたり…

本当に色んな事があった。

DSCF9369

 

あっちこっちに材料買いに行ったり設計して1週間掛けて作ったパーツが次の月にはもう役にたたない事が分かる、という事もトータル10数回あった。

毎日毎日同じ所で同じ機械に向き合って、トラブルが起こっては原因を考えて、またリサーチし直して、設計図を作り直して、寝ても覚めてもどころか自転車で猛スピードで移動中も電車の中でもずっとパーツの可動方法やトラブルの回避方法を考えてた。

そして新しい設計図(またはアイデア)が出来てはホームセンターに行って材料を買って、アトリエで木やアクリルやアルミや鉄を切ったり削ったり。

シリコンを均一な厚みに塗る方法を考えたり、フィルムを張力を維持した状態で固定して防水する方法を考えたり(これに数ヶ月掛かった)、ボルトもいっぱい切ったし、穴も数えきれないくらい空けたし、ネジ山もいっぱい彫った。

パーツを作る作業が結構つらい時があった。
持っている道具は普通ののこぎりとヤスリとボール盤とドリルとかくらい。全部手作業ベースなのでどうしてもブレたりして粗が出る。

でもとにかくパーツは正確に作る必要があるので、一個一個丁寧に加工する必要がある。自ずと時間がかかる。それにパーツ数も多いので、今日はアルミ8本を切って両面16箇所を平らに削る作業。

今日はボルトネジを30本金ノコで切断する作業。
今日は2時間かけて塩ビパイプを真っすぐに切って、ヤスリで平らにする作業と、鉄のステー10個を同じ長さに金ノコでひたすら切る作業
などなど、とにかく地味で且つ体力を使う作業が多い。

とにかく気合を入れて集中力を持続させて数日に及ぶ作業をするのがポイント。

DSCF7340

そしてだいたい22~23時頃自宅に帰ってからも自分のデザイン業務はもちろん、リサーチや新しい図面を夜中まで描くのが日課だった。

毎日ほぼ1人で仕事しているので、生活の大半の時間を誰とも話さず、ひたすらに機械や金属やアクリルや化学素材と向き合ってきた。

今までの失敗から学んだ事を総動員して、フルモデルチェンジした物が今月になってやっと完成し、それが功を奏してすごい精度で機械が動いてくれた時は本当に言葉が無かった。

機械制御、電子工作、化学素材、プログラミング、コンピューターでのソフトウェア操作と全てが合わさり、さらに20/1000ミリメートルまでの精度を出す機械なのでそれはなかなかに難しかった。

 

DSCF9565DSCF9578

でも今思えば、毎日行く場所は同じで、同じ機械を触るわけだけど、自分にとっては色んな事が起こった長い「旅」だったと感じる。

もうやめたいと思った事もいっぱいあるし、見たくもないと思ったこともあるけど、ぐだぐだ言おうが感情的になろうが、とにかく自分が作業しない事には前に進まない。

そのうちにトラブルや失敗なんかにもあまり心は反応しなくなっていった。1週間掛けて作った物が例え1時間で壊れたとしても、休憩して気を取り直してまた次の作業をするだけ。

プログラミングにおけるトラブルシューティングのフローチャートの様に、エラーが起こればそれの解決法を考え、再び作業する。
感情の入る余地は要らない。

この3年間ほどはずっとアトリエで作業していた時期だった。2014年は年間300日位アトリエに居たので、自転車でのトータル走行距離が少なく見積もって6000kmほどだった。(日本から海の上も走ってアフガニスタンまで行ける距離らしい。自転車で。)

 

これらの長く地味な実験で得られた事は、まず失敗しないと成功なんて出来るわけがないと言うこと。トラブルがあっても淡々と次の作業をしていけば成功に辿り着くと言うこと。

失敗から得られる物は多く、成功から得られる物は少ないと言うこと。

自転車でも毎日毎日漕げばアフガニスタンまで行ける(?)ということ。

そしてこんな作業を仕事として出来る自分は頗る幸せだと感じる。

Author:

CAPTCHA


This blog is kept spam free by WP-SpamFree.